The Noble Qur'an Encyclopedia
Towards providing reliable exegeses and translations of the meanings of the Noble Qur'an in the world languagesJonah [Yunus] - Japanese translation - Saeed Sato
Surah Jonah [Yunus] Ayah 109 Location Maccah Number 10
アリフ・ラーム・ラー[1]。それは、完全無欠な[2]啓典の御徴(アーヤ*)である。
一体、人々には驚きだったというのか?われら*が彼らの内のある男に、「人々に、(アッラー*の懲罰を)警告せよ。そして信仰する者たちには吉報を伝えよ、彼らには自分たちの主*の御許で、真の高み[1]があるということを」と啓示したことが?不信仰者*らは言った。「本当にこれはまさしく、紛れもない魔術師である」。
あなた方の主*は、諸天と大地を六日間で創造され[1]、それから御座[2]にお上がりになったアッラーである。かれは、万事を司られる。かれのお許しの後でなくしては(復活の日*)、いかなる執り成し手もいない。そのお方がアッラー*、あなたの主*。ゆえに、かれを崇拝*せよ。一体、あなた方は教訓を得ないのか?
かれの御許にこそ(復活の日*)、あなた方全員の帰り所はある。アッラー*の真なるお約束(を、お約束になった)。本当にかれは創造を始められ、それから(死後に)それをお戻しになるのだ。(それは)かれが、信仰して正しい行い*を行った者たちに、公正にお報いになるため。そして不信仰だった者*たちには、彼らが不信仰に陥っていたことゆえに、煮えたぎる湯の飲み物と痛烈な懲罰があるのだ。
かれは太陽を(燦然たる)光、月を明かりとされ、あなた方が年数と計算[1]を知るべく、それ[2]に諸々の宿り場を定められたお方。アッラー*がそれを創造されたのは、真実ゆえに外ならない[3]。かれは知識ある民に、御徴[4]を明らかにされるのだ。
本当に夜と昼の交代と、アッラー*が諸天と大地に創造されたものの内にはまさに、敬虔なる*民への御徴[1]がある。
本当にわれら*との(来世における)拝謁を望まず[1]、現世の生活に満足して、それに安じる者たち、そして、われら*の御徴[2]をなおざりにしている者たち、
そのような者たちの(来世での)住処は、彼らが(現世で)稼いでいたもの(罪)ゆえの業火。
本当に、信仰し、正しい行い*を行った者たち、彼らの主*はその信仰心ゆえ、彼らをお導きになる[1]。安寧の楽園では、彼らの下から河川が流れている。
そこで彼らの祈願は、「あなたに称え*あれ、アッラー*よ」であり、そこでの彼らの挨拶は「(あなた方に)平安を[1]」。そして祈願の締めくくりは、「全創造物の主*、アッラー*に全ての称賛*あれ」。[2]
もし、アッラー*が人々に善きこと(の祈願を聞き入れること)を急がれるように、彼らに悪いこと(の祈願[1]を聞き入れ)を急がれるのであれば、彼らには自分たちの(滅亡の)期限(の到来)が決定されてしまったであろう。だが、われら*は(そうせず、)われら*との拝謁を望まない[2]者たちを彷徨うまま、そのひどい放埓さの中に放ったらかしにしておくのだ。
また(不信仰な)人間は、有害が降りかかれば、横になって、または座りつつ、あるいは立ちながら、われら*に祈る。そして、われら*が彼からその害悪を取り除いてやれば、彼は自分に降りかかった害悪(からの救い)について、われら*に祈りなどしなかったかのように(以前の不信仰な状態を)続ける。同様に、(アッラー*とその使徒*に対する嘘において)度を越した者たちには、自分たちが行っていたこと[1]が目映く見えたのだ。
また、われら*は確かにあなた方以前の幾つもの世代を、滅ぼした。使徒*たちが明証[1]を携えて彼らのもとに到来したにも関わらず、彼らが不正*を働き、信仰すべくもない状態にあった時のことであった。同様に、われら*は罪深い民に報いるのだ。
それから(人々よ)、われら*は彼らの(滅亡の)後、あなた方を地上の継承者[1]とした。あなた方がどのような行いをするか、見届けるために。
また、彼ら(シルク*の徒)にわれら*の明白な御徴(アーヤ*)が読誦された時、われらとの拝謁を望まない[1]者たちは(、こう)言った「これではないクルアーン*を披露してみよ。あるいは、それを変えよ[2]」。(使徒*よ、)言ってやるがいい。「私には、それを自分勝手に変更する権利などない。ただ私は、自分に啓示されたものに従うだけなのだから。本当に私は、もし我が主*に逆らったりしたら、偉大なる(復活の*)日の懲罰(が降りかかること)を怖れている」。
(使徒*よ、)言ってやれ。「もしアッラー*がお望みになったのなら、私はそれ(クルアーン*)をあなた方に対して読誦しなかったし、また(アッラー*は)それをあなた方にお教えにもならなかったのだ。(それがアッラー*からの真実だと知れ、)私は確かに、それ(長い)年月[1]を過ごしたのだから。一体、あなた方は分別しないのか?」
アッラー*に対して嘘を捏造し、あるいはその御徴を嘘呼ばわりする[1]者よりも、ひどい不正*を働く者がいようか?本当に罪悪者たちは、成功しないのである。
彼ら(シルク*の徒)はアッラー*を差しおいて、彼らを害しなければ、益もしないようなものを崇めている。そして(彼らは、)言うのだ。「この者たちはアッラー*の御許での、私たちの執り成し手なのである」。(使徒*よ、)言ってやるがいい。「アッラー*に対し、かれが諸天においても大地においても関知されないことを、申し上げるというのか?」かれに称え*あれ、かれは彼らがシルクを犯しているものから(無縁で)、遥かに高遠なお方。
人々はかつて、(イスラーム*という一つの宗教に基づいた、)ただ一つの民に外ならなかったのであり、その後に意見を異にしたのである[1]。そして、もしあなたの主からの先んじた御言葉[2](による懲罰の猶予)がなかったならば、彼らの間には、彼らが意見を異にしていたことにおいて、(早期での)裁決[3]が下されていただろう。
また、彼ら(頑迷な不信仰者*たち)は言う。「どうして彼(ムハンマド*)には、彼の主*から御徴[1]が下らないのか?」では(使徒*よ、)言ってやるがいい。「本当にアッラー*にこそ、不可視の世界*は属するのだ。ならば、(私たちへのアッラー*のご裁決を)待つがよい。実に私も、あなた方と共に待つ者となるから」。
また、われら*が(シルク*を犯している)人々に、彼らに降りかかった災難の後、慈悲[1]を味わわせたならば、どうであろう、彼らはわれら*の御徴に対して策謀[2]する。(使徒*よ、)言ってやれ。「アッラー*は、より早く策謀されるお方[3]」。本当にわれら*の使い(天使*)たちは、あなた方の策謀を書き留めているのだから[4]。
(人々よ、)かれ(アッラー*)は、あなた方を海に陸に移動させられるお方。やがて、あなた方が船上の人となり、それらがよき風と共に彼ら[1]を乗せて進み、彼らがそれ(よき風)に有頂天になると、そこに強風が到来し、あらゆる場所から波が彼らを襲い、彼らは(八方ふさがりになって)自分たちの一巻の終わりを悟る。彼らはアッラー*だけに真摯に崇拝*行為を捧げつつ、(こう言って)かれに祈るのである[2]。「もしも、あなたが私たちをこれからお救い下さったなら、私たちは必ずや(あなたの恩恵を)感謝する者となりますのに」。
それで、かれ(アッラー*)が彼らを(その苦境と恐怖から)お救いになれば、どうであろう、彼らは不当にも地上で(腐敗*や罪によって)侵犯するのだ。人々よ、あなた方の侵犯は、自分自身に対するもの[1]に外ならないのだぞ。現世の生活の楽しみ(を、あなた方は楽しんでいるだけ)。やがて、われら*こそがあなた方の帰り所となり、われら*はあなた方が行っていたことを、あなた方に告げ聞かせ(、それに報い)るのである。
本当に現世の生活の様子は、(雨)水のようなもの。われら*は天からそれを降らし、人々と家畜が食する大地の(様々な)植物が、それと混合(し、茂って互いに混生)する。やがて大地がその装飾品を身にまとい、(種子や果実が花々で)自らを飾り立て、その住民がそれら(の収穫)を手にすることが出来ると思ったところで、(それらを壊滅させるという)われら*の命令が夜中に、あるいは昼間に、それらを襲う。そしてわれら*は、まるでそれらが昨日までは存在しなかったかのように、根こそぎにしてしまうのだ。このようにわれら*は、熟考する民に御徴(アーヤ*)を明らかにする。
وَٱللَّهُ يَدۡعُوٓاْ إِلَىٰ دَارِ ٱلسَّلَٰمِ وَيَهۡدِي مَن يَشَآءُ إِلَىٰ صِرَٰطٖ مُّسۡتَقِيمٖ [٢٥]
アッラー*は平安の地へとお招きになり、かれがお望みになる者をまっすぐな道[1]へとお導きになる。
善を尽くした者[1]たちには、最善のものと、(更なる)上乗せ[2]がある、そして彼らの顔を、埃や屈辱が覆うことはない。それらの者たちは天国の民であり、彼らはそこに永遠に留まる。
そして悪行を稼いでいた者たちには、それと同様の悪い報いがあり、屈辱が彼らを覆う。彼らには、アッラー*(の懲罰)から守ってくれる者など、誰もいない。彼らの顔は、あたかも真っ暗な夜の断片に覆われてしまったかのよう。それらの者たちは業火の民であり、彼らはそこに永遠に留まるのだ。
われら*が彼らを皆召集し、それからシルク*を犯していた者たちに、(こう)言う(復活の)日*のこと(を思い起こさせよ)。「あなた方と、あなた方(がアッラー*)の同位者(としていたもの)たちは、自分たちの場所に(控えていよ)[1]」。われら*は彼らを別々にし、彼らの(アッラーに対する)同位者たちは、(自分たちを崇めていた者たちに向かって、こう)言う。「あなた方が崇めていたのは、私たちではなかった。
アッラー*だけで、私たちとあなた方の間の証人は十分。本当に私たちは、あなた方の(私たちに対する)崇拝*について、無頓着だったのだから」。[1]
そこにおいて全ての者は、自分が(現世で)既に行ったことを検証する[1]。そしてアッラー*へと、彼らの真の庇護者*の御許へと戻されるのであり、彼らが捏造して(アッラー*と並べて崇めて)いたものは彼らから消え失せてしまうのだ。
(使徒*よ、彼らシルク*の徒に)言ってやれ。「天と地から、あなた方に糧を与えられる[1]お方は誰か?いや、(あなた方の)聴覚と視覚を所有されるお方[2]は、誰なのか?また、死から生を取り出され、生から死を取り出される[3]お方は誰か?そして(全ての)物事を司られるお方は、誰なのか?」そうしたら、彼らは言うだろう、「アッラー*である」と。言ってやれ。「一体、あなた方は(かれを)畏れ*ないのか?」
そのお方がアッラー*、あなた方の真の主*である。そして真理の外には、迷妄があるのみなのではないか?[1]一体、どうしてあなた方は(、アッラー*の崇拝*から別のものの崇拝*へと)逸らされるのか?
(彼らシルク*の徒と)同様に、放逸だった者たちには、彼らは信仰しないという、あなたの主*の御言葉が確定したのである。
(使徒*よ、)言ってやれ。「あなた方(がアッラー*)の同位者(としているもの)たちの内、(無から)創造を始め、その(消滅)後、それを(元通りに)戻すものはあるのか?」言ってやるのだ。「アッラー*(のみ)が創造を始められ、その後にそれをお戻しになる。一体、どうしてあなた方は(、アッラー*の崇拝*から別のものの崇拝*へと)背かされるのか?」
(使徒*よ、)言ってやるがいい。「あなた方(がアッラー*)の同位者(としているもの)たちの内、真理へと導くものはあるのか?」言ってやれ。「アッラー*(のみ)が真理へとお導き下さるのである。それで一体、真理へとお導き下さるお方が、従われるにより相応しいのか?それとも導かれなければ、自ら導きを得ることはない[1]もの(が従われるに相応しいの)か?一体、あなた方はどうしたことか?あなた方は何という、(誤った)判断[2]をしているのか?
彼らの大半が従っているのは、憶測に外ならない。実に憶測は真理に対して、少しも役立つことなどないのに[1]。本当にアッラー*は、彼らがなすことをご存知のお方。
このクルアーン*が、アッラー*以外(の誰か)によって捏造されることなど、あり得ない。だが(それは、)それ以前のもの(諸啓典)への確証であり、全創造物の主*からの、疑惑の余地のない啓典(法)の解明なのである。
いや、一体、彼らは(こう)言うのか?「彼(ムハンマド)がそれ(クルアーン*)を捏造したのだ」。(使徒*よ、)言ってやれ。「では、それと同様のスーラ*を一つ、持って来てみよ[1]。そして、あなた方がアッラー*以外に(それを頼むことが)出来る(あらゆる)者を、呼んで、(手伝わせて)みるがよい。もし、あなた方が本当のことを言っているのなら」。
いや、彼らは、まだその知識[1]を把握してもいなかったものを、(早合点して)嘘よばわりしたのだ。そしてその結末は、まだ彼らのもとに到来してはいないというのに[2]。同様に、彼ら以前の(不信仰)者*たちも、嘘よばわりしたのだ。そして見るがよい、不正*者たちの結果がいかなるものであったかを。
(使徒*よ、)彼ら(あなたの民)の内には、それ(クルアーン*)を信じる者がおり、また彼らの内には、それを信じない者もいる。あなたの主*は、腐敗*を働く者たちのことを最もよくご存知である。
また(使徒*よ)、もし彼ら(シルク*の徒)があなたを嘘つき呼ばわりしたなら、言ってやるのだ。「私には自分の行い(とその報い)があり、あなた方には自分たちの行い(とその報い)がある。あなた方は私が行うことから無関係であり、私もあなた方が行うこととは無関係なのだ」。
また彼ら(不信仰者*たち)の中には、あなたに(表面的にのみ)耳を傾ける者たちがいる。一体あなたは、分別することもない聾に聞かせるというのか?[1]
また、彼ら(不信仰者*たち)の中には、あなた(の正しさの証明)に(表面的にのみ)目を向ける者たちがいる。一体あなたは、眼識もない盲人を導くというのか?
本当にアッラー*は、人々に対して少しの不正*も行われない。しかし人々が、自らに不正*を働いているのである。
かれ(アッラー*)が彼らを、あたかも昼の一時しか過ごさなかったかのような状態[1]で召集される(復活の)日*、(そこで)彼らは、お互いを認め合う[2]。アッラー*との拝謁を嘘呼ばわりした者たちは確かに損失したのであり、彼らは導かれた者たちではなかったのだ。
そして(使徒*よ)、もしわれら*が(あなたの存命中)、彼らに約束したものの一部[1]をあなたに見せてやるにせよ、あるいは(その前に)あなたを召すにせよ、われら*にこそ彼らの帰り所はある。それからアッラー*は、彼らがすることの証人なの(であり、彼らに相応の報いを与えられるの)だ。
また、(過去の)全ての民には、使徒*が(遣わされて)いる。それで彼らの使徒*が(来世において)到来する時、彼らの間は公正に、不正*を被ることなく、裁かれるのだ。
また、彼ら(シルク*の徒)は言う。「その約束(復活の日*)は、いつなのか?もし、あなた方が本当のことを言っているのならば」。
(使徒*よ、)言ってやれ。「私は自分自身に対し、アッラー*がお望みになったものの外、害(する力)も益(する力)も有してはいない。いかなる民にも、(定められた滅亡の)期限があるのだ。その期限が来れば、(彼らはそれを)一刻たりとも遅らせたり、早めたりすることはない」。
(使徒*よ、)言ってやるがいい。「言ってみよ、もし夜、あるいは昼に、かれ(アッラー*)の懲罰があなた方に到来したら?一体罪悪者たちは、その(懲罰の)内の何を、性急に求めている[1]のか?
それから一体、あなた方(シルク*の徒)は、それ(アッラー*の懲罰)が起こる時になって、それを信じるというのか?(その時、あなた方にはこう言われる、)『一体、今頃になって(信じるのか)?あなた方は確かに、それを性急に求めていたくせに』」。[1]
それから不正*(シルク*)を働いていた者たちに、(こう)言われる。「永遠の懲罰を味わえ。一体、あなた方が報われているのは、自分たちが(現世で)稼いでいたことゆえ以外の、何ものでもないのではないか?」
(使徒*よ、)彼ら(シルク*の徒)は、あなたに尋ねる。「一体、それ[1]は真実なのか?」言ってやるのだ。「然り、我が主*にかけて、本当にそれはまさしく真実である。そしてあなた方は、(それから)、逃れられる者ではない」。
もし、不正*(シルク*)を働いたあらゆる者に、地上にあるもの(全て)があったなら、(そして、それを懲罰を免れるための代償とすることが出来たのならば、)それで償ったであろう。そして懲罰を目の当たりにする時、彼らは(余りの恐怖ゆえ)後悔の念を露わに出来ない[1]。彼らは不正*を受けることなく、自分たちの間を公正に裁かれるのだ。
本当にアッラー*にこそ、諸天と大地にあるもの(全て)が属するのではないか。本当にアッラー*のお約束[1]は、真実ではないか。だが、彼らの大半は知らないのだ。
かれは生をもたらされ、死をもたらせせられる。そしてかれ(の御許)にこそ、あなた方は戻らされるのである。
人々よ、あなた方のもとには確かに、あなた方の主*からの訓戒と、胸の内にあるものへの癒し[1]、導きと、信仰者たちへの慈悲(である、クルアーン*)が到来した。
(使徒*よ、)言うのだ。「アッラー*のご恩寵とそのご慈悲[1]ゆえに(喜べ)、それゆえにこそ喜ぶがよい。それは彼らが(現世で)集めている(つまらなく儚い)ものより、善いのだから」。
(使徒*よ、彼ら不信仰者*たちに)言ってやるがいい。「言ってみよ、アッラー*があなた方のために下された糧のもの(について)。あなた方は(自分たちに)、その一部を非合法とし、(別の一部を)合法とした[1]」。言ってやれ。「一体アッラー*が、あなた方に(それを)許可されたのか?いや、あなた方はアッラー*に対して(嘘を)捏造しているのだ」。
復活の日*、アッラー*に対して嘘を捏造する者たちの(、自分たちの結末に対する)予測は、いかなるものであろう?アッラー*こそはまさしく、人々への恩寵の主であられるが、彼らの大半は感謝しない。
(使徒*よ、)あなたが何らかの用事中でも、まさにクルアーン*から読誦する時でも、あなた方がいかなる行為を行っている時でも、あなた方がそれに取りかかっている時、われら*はもとより、あなた方を見守る者なのである。そして僅かな重みでも、大地にあろうが天にあろうが、あなたの主*(の知識)から免れることはない。また、それより小さいものでも、大きなものでも、明白な書[1]に(予め記されてい)ないものはないのだ。[2]
本当にアッラー*と親密な者[1]たち、彼らには怖れもなければ、悲しむこともない[2]のではないか。
(彼らは)信仰し、(アッラー*を)畏れ*ていた者たち。
彼らには現世の生活と来世において、吉報がある[1]。アッラー*の(お約束という)御言葉に、変更はない。それこそは、偉大なる勝利なのである。
(使徒*よ、)彼ら(シルク*の徒)の言葉が、あなたを悲しませるようであってはならない。本当に偉力は全て、アッラー*に属するのだから。かれはよくお聴きになるお方、全知者であられる。
本当にアッラー*にこそ、諸天にある者と、大地にある者(全て)が属するのではないか。そしてアッラー*を差しおいて(、かれの)同位者(と自分たちが見なしているもの)たちに祈っている者たちは、何に従っているのか?彼らは憶測に従っているに過ぎないのであり、彼らは決めつけているだけなのだ。
(人々よ、)かれ(アッラー*)は、あなた方がそこで安らぐように夜をお創りになり、昼を(生活のために)視界が利くものとされたお方。本当にそこにはまさしく、耳を傾ける民にとっての御徴[1]がある。
彼ら(シルク*の徒)は、言った。「アッラー*は御子をもうけられた」ーーかれ(アッラー*)に称え*あれ[1]--。かれは、満ち足りておられる*お方であるのに。かれにこそ、諸天にあるものと大地にあるもの(全て)は属する。あなた方には、これ[2]についての根拠などないのだ。一体あなた方は、アッラー*について知りもしないことを言うのか?
言ってやれ。「本当にアッラー*に対して嘘を捏造する者たちは成功しない」。
(それは)現世における享楽[1]。その後、われら*(の御許)こそが、彼らの帰り所となる。それからわれら*は、彼らが不信仰を犯していたことゆえに、彼らに厳しい懲罰を味わわせるのだ。
(使徒*よ、)彼ら(不信仰者*たち)に、ヌーフ*の話を読唱して聞かせよ。彼(ヌーフ)がその民に、(こう)言った時のこと。「我が民よ、もし(あなた方のもとでの)私の滞留と、アッラーの御徴[1]による(あなた方に対しての)私の訓戒が、あなた方にとって苦痛となったとしても、私はアッラーにこそ全てを委ねた*のだ。ならば、あなた方は自分たちの事を、あなた方(がアッラー)の同位者(としているもの)たちと共に決定し、その後はあなた方の(決定した)事を包み隠すことなく(公にし)、それから私に対してやり遂げてみよ[2]。私を猶予してくれなくてもよい。
それで、もしあなた方が(私の呼びかけから)背き去ったとしても、私はあなた方に見返り[1]を要求していたわけではない。私の見返りは、全創造物の主*から以外の何ものでもないのであり、私は服従する者(ムスリム*)となるように命じられたのだから」。
そして彼らは、彼(ヌーフ*)を嘘つき呼ばわりした。それで、われら*は彼と、彼と共にあった者を船で救って、彼らを継承者[1]とし、われら*の御徴[2]を嘘とした者たちを、溺れ(死に)させた[3]。ならば、警告を受けた者たちの結末がいかなるものだったかを、見てみるがよい。
それから彼(ヌーフ*)の後、われら*は(その他の)使徒*たちを、彼らの民に遣わした。それで彼ら(使徒*たち)は、明証[1]と共に彼ら(その民)のもとに到来したものの、彼ら以前にそれを嘘呼ばわりしていたことゆえ、(使徒*たちのもたらしたものを)信じるべくもなかった[2]。同様にわれら*は、(アッラー*の法と使徒たちの教えに対する)侵犯者たちの心を、閉じてしまうのである[3]。
それから彼らの後、われら*はムーサー*とハールーン*をわれら*の御徴[1]と共に、フィルアウン*とその(民の)有力者たちに遣わした。そして彼らは、(真実を受け入れることに)高慢であり、罪悪者である民であった。
そして、彼らのもとにわれら*の御許からの真実が訪れると、彼らは言った。「本当にこれはまさしく、紛れもない魔術だ」。
ムーサーは言った。「一体あなた方は真実があなた方のもとを訪れた時、それに対して(そのようなことを)言うのか?これが魔術だというのか?魔術師たちは、成功しないというのに」。
彼らは、(ムーサー*に)言った。「一体あなたは、私たちが見出した自分たちのご先祖様のやり方[1]から、私たちを背かせるために来たのか?そして地上での権威が、あなた方両人(ムーサー*とハールーン*)のものとなるために?私たちはあなた方のことなど、信じる者ではないというのに」。
フィルアウン*は、(有力者たちに)言った。「あらゆる習熟した魔術師を、私のもとに連れて来い」。
そして魔術師たちがやって来ると、ムーサー*は彼らに言った。「あなた方が投げる物(紐や杖など)を、「投げるがよい」。[1]
それで彼らが(それらを)投げた時、ムーサー*は言った[1]。「あなた方が披露したものは、魔術である。本当にアッラー*は、それを無効にして下さろう。実にアッラー*は、腐敗*を働く者たちの行い[2]を、容認されないのだから。
そしてアッラー*は、その御言葉によって真理を確立される。たとえ、罪悪者たちが嫌がろうとも」。
そしてムーサーを信じたのは、その民の子孫だけだった。彼らは、フィルアウン*とその有力者たち[1]が、自分たちを試練にかけることを怖がっていたーー本当にフィルアウンは地上で驕り高ぶり、本当にまさしく、彼は度を越した者たちの類いであったーー。
また、ムーサー*は言った。「我が民よ、もしアッラー*を信じたというのなら、かれにこそ全てを委ねよ*。もしあなた方が、服従する者(ムスリム*)であるならば」。
それで彼ら(ムーサー*の民)は、言った。「私たちは、アッラー*にこそ全てを委ねました。我らが主*よ、私たちを不正*者である民への試練とはしないで下さい[1]
また、あなたのご慈悲によって、私たちを不信仰の民*からお救いください」。
われら*は、ムーサー*とその兄(ハールーン*)に(、こう)啓示した。「あなた方二人の民のためにエジプトで家々を拠り所とし、あなた方の家々をキブラ*とし、礼拝を遵守*せよ[1]。そして信仰者たちには、吉報を伝えるのだ」。
また、ムーサー*は言った。「我らが主*よ、実にあなたはフィルアウン*とその(民の)有力者に、現世の生活において、飾りと財産をお与えになりました。我らが主*よ、(その結果、)彼らは(それらの恩恵に感謝せず、)あなたの道から(自分たちと人々を)迷わせたのです。我らが主*よ、彼らの財産を変容させ[1]、彼らの心をきつく狭め、それで痛烈な懲罰を目の当たりにするまでは、彼らが信仰しないようにして下さい」。
かれ(アッラー*)は仰せられた。「あなた方二人の祈願は、確かに聞き入れられた。ゆえに確固としてあれ[1]。そして(われら*の約束と警告について)知識のない者たちの道には、断じて従ってはならない」。
われら*は、イスラーイールの子ら*に海を渡らせた[1]。そしてフィルアウン*とその軍勢は不当にも敵対して、彼らを追った。やがて溺死が彼(フィルアウン*)に襲いかかった時、彼は言った。「私は、イスラーイールの子ら*が信じたお方(アッラー*)の外、崇拝*すべき何ものもないことを信じました。そして私は、服従する者(ムスリム*)の一人なのです」。
「(フィルアウン*よ、)今頃(信仰するの)か?[1]あなたは以前、確かに反抗していたし、腐敗*を働く者たちの類いだったのに。
それでわれら*はこの日、あなたがあなたの後(世)の者たちへの(訓戒すべき)御徴となるべく、あなたをその肉体のみ[1]、高台にうち上げてやるとしよう。本当に多くの人々は、われら*の御徴に無頓着なのである[2]」。[3]
われら*は確かに、イスラーイールの子ら*を善い土地に住まわせ、善きものの内から、彼らに糧を授けた。そして彼らが意見を異にしたのは、彼らのもとに知識が到来した後のことだったのだ[1]。本当にあなたの主*は復活の日*、彼らが意見を異にしていたことについて、彼らの間に裁決をお下しになる。
もし(使徒*よ)、われら*があなた[1]に下したもの(の真実性)について疑念を抱いているのなら、(確証と証言を得るため、)あなた以前に啓典を読んでいる者たちに尋ねるがよい。真理は確かにあなたの主*から、あなたのもとに到来したのである。ならば絶対に、(そのことを)疑わしく思う者たちの類いになってはならない。
また(使徒*よ、)あなたは絶対に、アッラー*の御徴を嘘呼ばわりした者たちの一人となり、それによって損失者の類いとなってはならない。
本当に、(懲罰という)あなたの主*の御言葉が自分たちに確定した者たちは、信じないのである。
たとえ、彼らのもとに(訓戒と教訓としての)あらゆる御徴が訪れても。痛烈な懲罰を目の当たりにするまで(、信じないのだ)。[1]
どうして町(の住民)は(、懲罰を目の当たりにする前に)信仰し、その信仰で自らを益しなかったのか?[1] 但しユーヌス*の民だけは別で、彼らが信仰した時(、懲罰はまさに下ろうとしていたが)、われら*は彼らから現世の生活における屈辱の懲罰を取り除いてやり、暫しの間、彼ら(の余命)を楽しませておいたのである。[2]
(使徒*よ、)あなたの主*がお望みになったなら、地上の全ての者が揃って、信仰に入ったであろう。一体あなたは、人々が信仰者となるように強制するというのか?[1]
また、アッラー*のお許しなくしては、誰も信仰することなど叶わない。そして、かれ(アッラー*)は(、そのご命令を)弁えない者たちに対して、穢れ[1]をお与えになるのだ。
(使徒*よ、)言ってやれ。「諸天にあるものと、大地にあるものを考えてみよーー御徴も警告も、信仰しない民には無益なのだがーー」。
彼らは一体、彼ら以前に過ぎ去って行った(不信仰)者*たちの日々[1]のようなものを、待つというのか?(使徒*よ、)言ってやるがいい。「では、待つがよい。本当に私も、あなた方と共に(あなた方への懲罰を、)待つ者となるから」。
それからわれら*は、われらの使徒たちと、信仰した者たちを、救い出す。そのようにーー(それは)われらにとって必須なのだーー、われらは信仰者たちを救う。
(使徒*よ、)言うのだ。「人々よ、もしあなた方が私の宗教(イスラーム*)に疑念を抱いていたとしても、私はあなた方がアッラー*を差しおいて崇めているものを、崇拝*しない。だが私は、あなた方(の魂)をお召しになるアッラー*を崇拝*するのであり、信仰者の一人となることを命じられたのである。
そして、『(使徒*よ、)あなた[1]の顔をその純正[2]な宗教(イスラーム*)へと正すのだ。断じて、シルク*の徒の類いとなってはならない。
また、あなたを益することもなければ害することもないもの[1]を、アッラー*を差しおいて祈ってはならない。もし(そのようなことを)したならば、そうしたら、本当にあなたは不正*者の類いとなってしまうだろう』と(命じられたのだ)」。
(使徒*よ、)もしアッラー*があなたに害悪をお与えになれば、かれ以外には誰一人、それを取り除いてくれる者はいない。また、かれがあなたに何らかの善をお望みになれば誰一人として、その恩寵を突き返す(ことの出来る)者はいない[1]。かれはその僕の内から、かれがお望みになる者に、それ(有害あるいは善)をお与えになるのであり、かれは赦し深いお方、慈愛深い*お方なのだ。
(使徒*よ、)言ってやれ。「人々よ、あなた方の主*から、あなた方のもとに真理が到来した。それで(それにより)導かれた者があれば、本当に彼は自分を益するために導かれるだけであり、また迷う者があれば、自分を害するために迷うだけ。そして私は(あなた方の信仰を委任された)、あなた方に対する代理人などではない」。
そして(使徒*よ、)あなたに啓示されるものに従い、アッラー*が裁決[1]を下されるまで忍耐せよ。かれは、裁決者の内でも最善のお方であられる。